OCT(光干渉断層撮影)は、光を使って精密に目の断面画像を撮影出来る検査機器です。光を使ったCT検査と考えると分かりやすいです。光を使っているので、全く目にダメージがありません。これまで、主に目の後眼部(網膜や視神経など)の形状を解析する機器として発展してきました(OCT参考)。しかし、このCASIA2は前眼部(目の表面に近い部位、例;角膜、虹彩、水晶体など)の形状を解析することに特化したOCTです。
前眼部を解析することは、白内障における水晶体の状態や、角膜解析における角膜疾患、だけでなく、緑内障の原因の一つとなる眼圧を左右する房水の排水溝「隅角」などの解析を行うことができます。
これまで、表面麻酔をして特殊な接触型の隅角レンズを使わないと検査できなった隅角を、非侵襲的に検査できるようになりました。
緑内障は隅角が広いか狭いかで治療方針が異なりますが、忙しい眼科クリニックでは、隅角検査が軽視されている傾向があります。この機器は、360度の隅角を非侵襲に検査可能です。
また、緑内障では角膜の厚みを測定することも重要と考えられています。角膜が厚いと眼圧は真の値よりも高く、薄いと低く測定されます。一方、角膜が薄いと緑内障が進行する症例も多いと考えらえています。CASIAでは角膜の中心の厚み(中心角膜厚)を正確に測定ができます。
CASIA2は緑内障の正確な治療方針を考える上で大変重要な検査機器となっています。