線維柱帯切開術

眼圧上昇が生まれつき線維柱帯の通過障害や根詰まりがある症例では線維柱帯切開術が良く効果を示します。線維柱帯切開術には、目の内側から線維柱帯を切開する20分程度で終了する方法(マイクロフックロトミー)と、目の外から線維柱帯を見つけて切開する1時間程かかる方法(トラベクロトミー)があります。内側から切開する方法(マイクロフックロトミー)の方が結膜に触らないことや、将来の線維柱帯切除術を行う場合にも悪影響がないことから、優れた手術ですが、角膜が濁っている症例では内側から線維柱帯が見えないのでこの手術が出来ません。そのような場合は目の外から線維柱帯を見つけて切開する方法(トラベクロトミー)が行われています。発達緑内障にも線維柱帯切開術は有効です。また、ステロイドを塗布(軟膏など)や点鼻、内服、点眼で使用していると隅角の機能が悪くなります。このようにステロイド服用に起因する緑内障の場合も、この手術が著効して眼圧が下がります。しかし、臨床の現場では炎症の治療でステロイドを使用している場合、眼圧上昇の原因がステロイドのためか、炎症のためか分からず、手術の術式の判断に悩む時があります。はじめに線維柱帯切開術を目の内側から行った場合(マイクロフックロトミー)には、結膜を傷付けていないため、速やかに線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)を行うことが出来ます。そのため、緑内障の手術加療においては、段階を踏み、まずは線維柱帯切開術を行って、数か月経過を見て眼圧下降が不十分な場合に、線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)を行うことを推奨しています。